旅行代理店ノマドのサハリン旅行を中心としたロシア専門部門「ロシア・セクション」

ロシアの旅行の手配から観光まで

RUSSIA SECTION

【ノマド|ロシアセクション】

業務渡航

1.voyage/調査・視察

ホームページ制作に当たり、番組関係者・スタッフの方々におかれましては、ご快諾・ご協力頂き深くお礼を申し上げます。

ハンティングフィールドの調査のため、渡航することとなった。
10月の初旬でもあり、現地でのヒグマ事情としては川を離れ、シーズンとして適切ではなかったが、主な目的が「各種装備一式」の輸出入手続きの実際と前例作りであり、また現地エージェントからの再三にわたる「現地サポート視察」の招請に応えるため実行に移した。

あわせて、たまたま懇意にしていただいている北海道テレビ(HTB)のビデオジャーナリスト阿部幹雄さんと道で立ち話をした折に同行取材したい旨の申し出があり、当社も「資料映像が残せるなあ~。」と、野心を抱き、急遽ジャーナリストでありネイチャーフォトのプロカメラマンである阿部幹雄さんと一緒の旅がはじまった。気の置けない人と一緒の旅がなんと楽しいことか!
久しぶりに仕事を離れた旅ができた。
装備を選択し、食料計画を立て、車を整備し、土産を用意する。小学生だった頃の遠足前夜の気持ちを思い起こさせてくれる。単純に楽しいものだ。

稚内での通関、搭載、ロシアでの入国、その他手続きは事前準備が功を奏しまったく問題なく実績作りができた。そして、いざ!猟場へ。
途中で現地ガイドのワジム達と合流する。10年来の知己だ。
阿部さんも釣り取材で一緒になったことのあるガイドなのでお互い遠慮がない。初日から打ち解けたいい雰囲気だ。

2.seere/自然を行く

彼らの車は地上最強のキャンピングカ-、「ロシア製ウラル6輪駆動」だ。 もともとシベリアの鉱物資源などの探査車輌として早くに開発され、その優秀さから軍も採用し指揮通信車やら兵員輸送、病院車、ICBM搬送車と一時はマルチパーパスとしてロシア全土を席巻した車だ。
現在はモデルチェンジによりキャブオーバータイプの「カマズ」がリリースされている。しかしながら、ウラルが積み重ねてきた実績と信頼度は微塵も揺るがず今でもシベリアンビークルの王座を守り続けている。

日本から持参したランクルも実は、このウラルと同行できる性能がほしくて数々の改良を重ねてきた。
事情が許せば是非一台欲しい車だ。

猟場へは国境警備隊の監視哨を越え、車で海を漕いで、昆布の山を乗り越え、幾つもの川を渡り夕方に到着した。過去何度も訪れた懐かしい場所だ。
早速安着祝いのウオトカが空く。明日からはいよいよハンティングインスペクションだ。星が煌き、海鳴りが心地よい、風の音を聴きながらいつのまにか眠りにつく。

3.field/自然の掟

早朝、湯を沸かすガソリンストーブの音で目が覚める。
すでにワジムが朝食の準備をしていた。フレンチトーストにサラダ、スープそして紅茶だ。
ハンティングの前は必ず紅茶を飲まなければならないそうだ。
理由を尋ねると「掟だ。」の一言???

今日は泥川を遡ってサーチする。狩猟監督官のサーシャが同行する。
彼はすでに63頭のヒグマを仕留めている本格派だ。
 銃は「ロッシ30-06」ロシア製では珍しい口径だが、近年西側への弾の輸出が好調なことから人気の出ているタイプとのこと、

川原には新旧大小入り乱れて熊の足跡がいたるところに刻まれている。
9月ならそれほど歩くことなしに射程距離内に複数捉えることが出来たであろう。昼まで遡行して出会いなし。
鬱蒼としたエゾマツ、トドマツ、樺。静かで川の流れと風の音だけの世界、時折カラフトマスが足元を弱々しくすぎる。鳥の声が清清しい。
歩みを進める。大きく屈曲した流れを巻き込むと開けた川原があらわれた。
熊の気配がそこで途切れた。
午後2時、腰を下ろしサーシャとタバコに火をつけあう。互いの口元に笑みが浮かび、空を仰いで深く煙を吸った。このとき、二人はまぎれもなく、われわれは自然の中の一部であると自覚していたと思う。

今留守番のイーゴリが夕食の材料を捌いていた。
大きなグースとアメマスだった。
彼は猟果をたずねることなく、ただ笑顔で迎え、うまいから揚げとムニエルを用意した。

4.chaser/過酷な撮影

カメラマンの阿部幹雄さんは羆(ひぐま)との出会いが無く、番組構成に頭を悩ませているようだ。
 これまで、いくつかのTV局と取材を共にすることがあったが、今回のようなワンマンオペレーションは初めての経験だ。
確かにハンターと同行の取材はワンマン以外にないと思う。
定点撮影はほとんどない。
獲物を追い山、谷、沢、川を縦横に動く対象を追わなければならない。

日これまでのようにカメラマン、音声、ディレクター、レポーターの4人クルーでは到底不可能だ。その為一人4役をこなすカメラマンの負担は相当なものと思う。そのスタイルは機能優先・合理的・最小限だ。
ウエットスーツ型のウエーダーに一眼レフカメラ2台を防水バックでたすき掛け、正面にDVカメラ。デイバッグには大量のバッテリーとフィルム、交換レンズそして三脚だ。その装備で時に正面からの撮影、後方からの撮影、側方と、多分私の3倍以上の距離を移動しているであろう。しかもそのフィールドはロシアのタイガだ。「北海道大学山スキー部OB」そして世界の山を登る「現役アルピニスト」でなければ不可能な取材だったと思う。登山家の横顔を持つフォトジャーナリスト『阿部幹雄』 彼の年齢は誰にも当てられない。

MIKIO ジャーナル

今回はHTB(北海道テレビ放送)の平日の夕方4時50分から放送している情報番組「イチオシ!」の取材でサハリンに上陸しました。ハンティングをキーワードに、サハリンの自然を一人4役の大活躍で取材を行った当社ノマドのご意見番とも言うべきフォトグラファーの阿部幹雄さんが、その「イチオシ!」の番組内でのワンコーナー「MIKIOジャーナル」を担当しています。そこではビデオジャーナリストとして、硬派な切り口で北海道全域と極東ロシアをフィールドに、普段なかなか目にすることの出来ない対象を映像で報道し続けています。必見!
MIKIOジャーナル」のHP⇒http://www.htb.co.jp/mikio_journal/

阿部 幹雄 / Mikio Abe

愛媛県松山市生まれ。フォトグラファー。
北海道大学工学部卒。同大学山スキー部OB。
山や川などの辺境を中心に、自然を題材にしたネイチャーフォトを得意とし取材を続ける。特に川では、イトウの生態を調査しながら写真を通して紹介している。
また、アルピニストの一面も持ち、その経験から1991年雪崩事故防止研究会という任意団体を設立。セミナーや講演会を行い、講師として雪崩知識の啓蒙活動も行う。
著書に「ドキュメント雪崩遭難(山と渓谷社)」 「決定版雪崩学(山と渓谷社)」「生と死のミニャ・コンガ(山と渓谷社)」、共著に「祈りの木(飛鳥新社)」「最新雪崩学入門(山と渓谷社) 」「幻の野性イトウ走る(北海道新聞社)」「北千島冒険紀行(山と渓谷社)」などがある。
現在、北海道テレビの番組「イチオシ」の中で「MIKIOジャーナル」を担当。

Page top