旅行代理店ノマドのサハリン旅行を中心としたロシア専門部門「ロシア・セクション」

ロシアの旅行の手配から観光まで

RUSSIA SECTION

【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

第25話 モノは無くとも知恵がある

2008.11.23

  • 五徳に秘密がある!

  • 手作りガソリンストーブ
    空気入れ接続の技!

  • ガソリントーチ流用
    手作りツーバーナー。
    炎を二つに分ける仕切りが
    設けられている。

「超へビーデューティーなキャンプ用熱源。ガソリントーチの意外な一面。」
本来であれば「ロシア逸品情報」に掲載の分野かもしれないが、商品としてのハードの紹介というより「ロシア人的流用の発想」という観点からソフト面に注目しコラムとしてみた。

ロシア人のピクニック好き、釣り、キノコ狩り、狩猟などのとにかく野外活動好きは、これまでにも多く紹介させていただいた。アウトドアへ出かけるときの単位も夫婦で、友人同士、家族、お隣近所と様々だが、日本的に考えると大きく「キャンプ」とくくれるカテゴリーかと思う。

 

キャンプでの必需品のひとつ「熱源=火」は世界中のアウトドアズマンにとって最も注目されている分野と思う。天候や環境に左右されない手軽で確実な熱源の確保はなによりも大事だ。日本ではプロパンガスに始まりブルーカン、ガソリンツーバナー、ガスカートリッジと矢継ぎ早な流行があり、現在のマーケットは各種混在と思う。選択肢が多い。
もちろんロシアでも手軽な熱源確保は求められてきたが選択肢の幅はかなりせまかった。そんな中で編み出された解決策がロシア的知恵!「流用」である。
労働者の国の作業道具の価格は計画経済においては破格の安さだった。そこでがぜん注目されたのが「ガソリントーチ」である。原理はコールマンやスベアに代表されるガソリンストーブと全く同じ、気化ガスの噴出方向が上か横かの違いだけである。
ロシア人は素直に考えた。「上に向ければいいんだろ!」である。そしてツーバーナーは「上に向けた炎を二つに分ければいいんだろ!」である。熱効率は確かに悪いが、「流用」のレベルにおいては立派なものである。よくぞ!と敬意を表したい。
ポンピングシステムを見ていただきたい!これも流用であるが目からうろこである。コールマンがこれを見たら多分素知らぬふりして特許をとりそうである。
ロシア人の素直な発想と実行力、形にしてしまう技術力、手先の器用さ。
日本人よ刮目せよ! 我々の本当の敵は西でも東でも南でもない! 北だ!

個人的にこんな道具が大好きだ。そしてそんな道具を考え、作ってしまう人が好きだ。
昔の日本にもいっぱいいたんだろうなあ、、、、。
豊かさを否定しないが、豊かさがいつの間にか人間の本来ある性能の一部をスポイルすることがあると思えてしまう。考えさせられた道具である。
ロシアでも昨今は韓国製・中国製のカセットガスコンロが幅を利かせている。ロシア人負けるな!

Page top