旅行代理店ノマドのサハリン旅行を中心としたロシア専門部門「ロシア・セクション」

ロシアの旅行の手配から観光まで

RUSSIA SECTION

【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

第27話 無敵!ガイコウカンライダー

2009.01.13

今回のコラムは国外の話と言っていいのか国内の話と言っていいのか悩む。
皆さんご存じ「在外公館」、日本も世界中にたくさん展開させている。当然同じ数だけ世界中から日本にも来ているわけだ。札幌にもある。
そしてその敷地、建物は「治外法権」であり、本邦にありながらも国内法が及ぶところではない、それはそのまま外国を意味する。これも皆さん良くご存じのことと思う。
そんなことで今回は本邦内の話であるが海外コラムとして読まれたい。

【外交官ナンバー】

車のナンバープレートのことである。「外ナンバー」とか「領事館ナンバー」とか言われている外交特権の一つだ。札幌にお住まいの方ならもしかすると目にしているかもしれない。漢字の「領」に数字が続いているそっけないものだが、其れゆえけっこう目立つ。
実はこの車も外国である。タイヤのついた在外公館もしくは外国政府となる。首都圏は大使館が多いので「外」ナンバー、地方都市は領事館なので「領」となる。
このタイヤのついた在外公館、もちろん治外法権である。シートベルトも駐車違反も酔っ払い運転も関係ない。無敵である。(本当は関係あるんだけど、実質アンタッチャブル。)

そんな外交官ナンバーから普通思い浮かべるのは黒塗りリムジンと思うが札幌に掟破りの外交官が現れた。どこの国とは書けないが、ある領事館の若手アタッシェだ。
 なんと、自分の単車に領事館ナンバーを付けたのである。バイクである。ホンダである。400㏄の中型オートバイである。

土日は趣味のツーリングで市内、郊外問わず走り回る。困惑したのは道警である。北海道警察始まって以来の「単車に領事館ナンバー」はどこへ行っても交機の恰好のターゲットになった。警察は完全にマルソー(暴走族)の悪戯と思っていた。
 若手外交官は言う「いや~、とにかく止められる。バイクに乗ってる時間より、止まっている時間のほうが多い。だけど結構面白いヨ。ヘルメット取って身分証出して説明して、おまわりさんのほうがあたふたして、そして感心して、、。」「バイクは完全に個人的な乗り物だけど、全然孤独じゃない。新しい楽しみができた!」お茶目な外交官である。
 道警にとってはいい迷惑であったと思う。
そんな彼もしばらくして大使館に転勤になり、今は本国に戻った。北海道から領事館ナンバーの単車が消えた。ちょっと淋しい。

 忘れられない外交官の一人だ。

Page top