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【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

第35話 実録!タイムトリップ

2010.01.10

先月末、21世紀のロシア人たちとタイムトリップしてきた。一週間ほどではあったが誠に稀有な体験であった。

 タイムマシンは大型バスにそっくりで「ENIWA KOTSU」と大きなロゴがあった。
タイムワープに要した時間は6時間。時空を一気に飛び越え、着いた所はなんと今から100年前の明治37年10月から明治38年3月の満州東部地区
「奉天・旅順」と言われる所だった。
時代は大日本帝国陸軍とロシア帝国陸軍が激戦を展開する日露戦争の真っただ中である。
我々は到着するなり謎の当局により身なりを着替えさせられた。もちろん100年前の軍服に外套、水筒、弾薬盒、鉄砲だ。(21世紀の物で着用が許されたのはパンツだけだった。)装備の整ったものから有無を言わせず、すぐさま前線に送られた。

  • タイムマシンである

  • 明治37年10月沙河の日本軍

  • 明治37年10月 沙河の会戦
    露砲兵と鹵獲された日本陸

  • 明治37年11月日本軍歩哨
    6.5㎜30年式歩兵銃

最前線でロシア軍と対峙していたのは大日本陸軍騎兵第一旅団である。
屈強で士気の高い秋山騎団は十八番の馬を封印し6.5㎜三十年式小銃と三十一年式速射野砲をもって下馬戦闘を展開していた。
 21世紀のロシア人達はすぐさまロシア帝国陸軍に編入された。第2軍第8軍団と集成狙撃兵軍団である。時空の歪みのせいだろうか戦場は目まぐるしく変わり、時に1月の黒溝台であったり、10月の沙河であったり、旅順攻囲の真っただ中であったりした。1月の旅順は寒かった。吹きっ晒しの高地でマイナス10度を下まわり、吹雪模様であった。(風がとても強く体感温度はマイナス25度以下だっただろう。戦死の可能性より凍死の可能性が高かった。)

  • 転戦タイムワープ中

  • 明治38年1月 黒溝台会戦
    騎兵秋山支隊 下馬戦闘

  • 露軍第2軍 集成狙撃兵軍団
    ジュラフスキー小隊

  • 露軍第2軍 第8軍団総攻撃
    明治38年

満州での日本軍の攻勢は激烈で次第にロシア軍は防戦一方となる。(兵站も混乱の極みにあったようで、補給される食料はロシア軍なのになぜか幕の内弁当に味噌汁なんてこともあった。)
明治38年1月、ロシア軍総司令官クロパトキン大将は奇襲攻撃命令を下命。厳寒の中突撃を敢行する。大規模な兵力で強襲したロシア軍であったが、日本軍はかろうじて持ちこたえこれを撃退した。世にいう「黒溝台会戦」である。
そして同年3月、ロシア軍31万。日本軍25万の史上空前の大激突「奉天大会戦」を迎える。機銃掃射に野砲の着弾、炸裂、塹壕戦、銃剣突撃、白兵戦。大激戦の末、日露双方に甚大な犠牲者を出し終決する。日本の辛勝だった。
21世紀のロシア人たちも健闘したが歴史を変えることはできなかった。全滅である。

  • 全滅である.合掌。
    南無阿弥陀仏

  • 大日本帝国陸軍攻城砲
    12サンチ加農

  • 7.62㎜モシン・ナガン小銃

  • 軍機密「氷点下でも凍らない謎の
    液体。」

片道旅行となってしまった、、、、残念なことをしてしまった、、、、、、、。

タイムマシンがまた手配出来たら、全滅の前に回収できたらと思う。
今回のタイムトリップにはなぜかマスメディアがいた。一部始終を撮影していた。放送は2011年12月だそうダ。

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