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【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

ロシアのウオッカ11

2010.03.20

今月のウオッカ/「インペリアル コレクション(インペラータルスカヤ コレクツイヤ)」

 ロシアで生産されている最高級の、従って値段も相応に高いウオッカの一つである。ウオッカ「インペリアル コレクション」は、2005年からサンクトペテルブルグの工場で生産されていたが、製造法を所有していたのは同名の外国企業であり、2009年12月までは本物のロシアウオッカとは言いがたかった。しかし、2009年に「ラドガ」ホールディングが「インペリアル コレクション」ブランドを買収し、生産量も増大した。「ラドガ」グループ社長ベニャミン グラバー氏は、「これまでは輸出向けであったが、今後はロシア国内市場での販売を増やしていく」と語っている。ウオッカ「インペリアル コレクション」はロシア市場で「ルースキー スタンダード」や「ベルガ」といったウオッカと競い合っている。

 ロシアの伝統的な飲み物を最上級の品質で作り出すという最終目標に向かって、ウオッカ「インペリアル コレクション」製造の複雑なプロセスは練り上げられている。ウオッカ製造の第一歩は、工業地帯から遠く離れた温暖な気候の南ロシアで最良の小麦を栽培することに始まる。この地方は小麦栽培に長い歴史を持ち、素晴らしい品質の小麦が大量に収穫できる穀倉地帯である。
 ウオッカ醸造の専門家たちは、五感を研ぎ澄まして小麦を選別し、でんぷん質の高い最適な原料を選び出す。このような厳しい条件に適った、サラトフ小麦などの品種が「インペリアル コレクション」の製造に使用されている。こうして厳選された小麦は、南からロシア西部の由緒ある、数々のコンクールでの受賞歴を持つ醸造所へと、運ばれる。

この工場は、今は最新のアルコール醸造設備を備えており、主な工程は機械化されている。小麦の粒は、まず、精製過程に送られる。発酵時に生じる副次物の量は、高度な滅菌技術によって抑えられているし、さらに4段階のアルコール精製工程のなかで、フーゼル油、エーテル、アルデヒド、酸、メタノールといった不純物が順次に取り除かれて、極めて純度の高いエチルアルコールが製造される。このような独自の製法で作られる酒精の純度は、国家規格で定められた「ルクス」の純度をはるかに超えるものであり、その繊細を極めた製法は、門外不出となっている。また、ウオッカ「インペリアル コレクション」には、8段階の浄化を経たラドガ湖の水が使用されている。浄化された水は、さらに一般に用いられている活性炭とは異なった、特別の白樺活性炭によって濾過されて、ウオッカの原料に使われる。上品な味わいを持つウオッカ「インペリアル コレクション」の柔らかくベルベットのような飲み口の中に、甘さや渋み、酸味やほろ苦さといったかすかな味のハーモニーがあることを、ウオッカの通人は、はっきりと感じ取るに違いない。ウオッカ「インペリアル コレクション」は、違いの解る大人たちへの、最良の贈り物である。

アウトドアクッキング

 今回は、ロシアのアウトドアクッキングのレシピではなく、私達の実生活でのエピソードを紹介したい。
 2009年8月に私は二人の友人と連れ立って、釣りに出かけた。目指す釣り場は、シャケ、ホッケ、カレイにメヌケやスズキの大群が周期的に押し寄せてくる岩場の海岸。勿論、釣果を期待して、鍋と塩やコショウを持参した。
ところが、その日は魚たちが我々の餌をやり過ごすことに決めたらしく、場所を変えながら2時間ほども粘ったのだが、全く釣れない。それでも、やっとのことで、水中の岩間の割れ目にメヌケの群れがいるのを見つけ出した。それからは、休むまもなく魚が餌に喰いついてくれたが、どれも小さく、平均で10~15cm位だった。数百匹を釣り上げたところで終わりにして、食事の支度にかかった。

焚き火を熾し、魚の下ごしらえをする。鍋に水を張り、まず、魚の第一弾目を投げ入れる。食べる身がないような、最も小さい魚を選んで。煮えると直ぐに、これらの魚を鍋から取り出し、脇によける。鍋に、前よりは少し大きい第二弾目のメヌケを入れる。これらを煮て、また、鍋から引き上げる。そうして第三弾目に、やっと大きいメヌケを入れて、塩とコショウを加えて煮る。小魚は火の通りが早いので、本当に15分もあれば、料理が出来上がってしまう。
椀にもって、ウハーの得も言われぬ美味しさに舌鼓を打っているうちに、焚き火では、しっかりとした小枝に刺した大き目のメヌケが焼きあがっていく。これには、塩もコショウも必要はない。その魚本来の水気と旨みをそのまま味わえるのが、丸焼きの醍醐味だ。
柔らかく新鮮な釣りたての魚・・・・それが私達のデザートだった。

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