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旅のコラム

第4話 ロシアンスタイルのサウナ:バーニャ その2

2004.10.12

バーニャパーティーはやっぱり厳冬期の夜がいい。
月夜であればランプもキャンドルもいらない、窓から差し込む青白い雪明りがとても幻想的だ。
自然の光に色があることを月と雪が教えてくれる。そしてこんな夜は誰をも詩人にしてしまう。
BGMは屈託のない楽しげな仲間たちの抑制の効いた話し声と薪のはぜる音、静かなパーティーを演出してくれる。
外は氷点下25℃、静寂な空間が広がる。
バーニャで熱くほてった身体のまま雪原に飛び出す。
まるで燃えているかのように水蒸気が体中から立ち昇り一瞬にして髪は凍りつきまるでヘルメットのようだ。 それでも身体は熱くタバコを一服するくらいは寒さをまったく感じない。
バーニャパーティーは穏やかな冬の楽しい夜のひと時を与えてくれる。

吹雪のバーニャはまた違った楽しみを与えてくれる。
降り積もった雪とそれを舞い上げる強い風、雪は空から降るのではなく大地から吹き上げる。窓に吹き付ける雪を暖かなバーニャから見るのは格別だ。ランプを点け、キャンドルを灯しワイン、ウオトカ、紅茶を用意する。オードブルはオームリ(シベリアの美味しい淡水魚)のルイベ、チーズ、サラミ、何かわからない白身魚のフリッター、黒パンにバターとジャム。準備が整うと気のおけない仲間たちと吹雪に負けじと大騒ぎのパーティーが始まる。飲み、食べ、歌い、バーニャへ、吹雪の中へとお酒がなくなるまで楽しむ。シベリアの冬は暖かい。
そしていつも思う。どうしていつもこんなに楽しいのだろうと、理由は明らかだった。
主催者も参加者もロシア人であるからだ。彼らはたとえ初対面であろうが外国人であろうがあった瞬間に十年来の友と再会したがごとくの歓待を持って迎えてくれる。そしてパーティーには参加者がいない、参加するロシア人全員が主催者だからだ。書いていて分かった。バーニャが楽しいのではない。ロシア人と一緒の空間が楽しいのだ!

~ つづく~

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