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【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

第14話 税務署

2006.03.08

3月である。
「年度末」、「決算」、「確定申告」と世の企業人は顔色が青色申告である。
このシーズンを迎えると決まってロシアを思い出す。そして納税は国民の義務である!と強く思う。

日本では「税務署」といえば銀ぶち眼鏡、グレーのスーツに黒のブリーフケース、そしてある日突然に電話が来る。実に申し訳なさそうに「○×税務署ですが、社長はご在席でしょうか」声のトーンはあくまで優しげだ。「参ったな~。」と思うが日本はいい国である、予告があり、慇懃ではあるが紳士的に、遠まわしに、遠慮がちに、、、。そしてしっかり持ってく。

税務警察なるものをご存知だろうか、ロシアの財務省管轄であり、税務署を構成する一部局である。
その組織は日頃我々が知るところの「税務署」のイメージとは全く相容れない。180度反対のところにあるような姿・形をしている。
まず、制服が「迷彩服」。装備は算盤でも電卓でもない「自動小銃」と「斧」。
企業への税務調査は斧でドアを叩き割るところから始まる。第一声は「全員そこを動くなー!」である。
およそ我々が知っている税務調査とは一線を画す。
目出し帽・戦闘服・カラシニコフの3点セットに彼の地の企業家達はひとたまりもない。徴収率は500%とも700%とも言われている。
日本の税務吏員が仏様のように思える。

日本のある代表団とロシアを訪問した時の視察先に当地の税務署訪問があった。担当者は得意げに税務警察の訓練風景に案内してくれた。(税務署の訓練なのに施設は内務省特殊警察軍の施設だった。)大きな建物の屋上から銃を背にロープで壁伝いに降りる。そして窓から飛び込む様に税務署のイメージは微塵もなかった。
(一度アメリカの対テロ対策の特集をテレビで見たことがあるが、全く同じだった。)
、、、ロシアではテロと脱税は同義である。

ロシアでビジネスをお考えの方!覚悟していただきたい。「売上税」「消費税」「付加価値税」「利益税」。そして彼の地での節税対策は命がけである。

後日談であるが、この怒涛の税務調査を真正面から受けとめ、そして生き残った一人の日本人企業家がいる。私は驚きと敬意を込めて訊いた『税務調査が入って生き残った企業はないと聞いてます。いったいどうやって~?』企業家は言った『僥倖だった。たまたま○○が△△で××だった。助かった~。』
(申し訳ない。詳細は書けない。決して出し惜しみではない。わかって頂けると思う。)
ただロシアは弱肉強食の世界であり、どんな場合にも天敵が存在する。聞くに、狙ってやれることではなさそうだ。まさしく天運と呼べる結末だった。時期が来たら書こうと思う。今しばらく猶予をいただきたい。

企業家の皆さん!納税は義務ですヨ~。
そして顧客とお友達は大切に~!

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