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旅のコラム

第15話 PN:デューク東藤様/ホテル デススター

2006.07.03

エピソード1
ホテル デススター   (この物語は完全なフィクションである。著者デューク東藤)
遙か、はるか遠い昔、同盟軍と帝国軍が銀河系で戦っていたころの話である。
惑星タトゥーンが舞台である。

ルークという若いビジネスマンが新しい取引と現地の事情調査の為に出張していた。当時銀河系辺境の地惑星タトゥーンは地理的に政治的に惑星外から訪れる者が極端に少なく、出張者に許されているホテルは1軒しかなかった。そのため出張者は否応なくホテル デススターに泊るしかなかった。長期出張者はほとんどなく、主に銀河系航行宇宙船のクルーが利用していた他は、土地の者が一人だけ定宿としていた。惑星タトゥーンで手広く商売をするジャバザハットという土地の者があり、ホテルの一室を事務所代わりに使っていた。商売の幅は広く、条件さえ合えばどんな品物でも用意することが出来るとその世界では有名な男だった。
ある日、近くの惑星からビジネスマンがやってきた。名前はダースベイダーと言い、その荷物から長期出張者であるとわかった。炊飯器に米を持ち込んでおり2、3週間の滞在であろうと推測できた。ルークも長期ではあったが若さゆえ最低限の荷物で来ていたため、炊飯器を見たとき「ご飯だ!」と正直うらやましく思っていた。3,4日経った頃、物怖じしないダースベイダーはルークに良く話しかけてきた。「いつから?」「どこから?」「何しに?」であった

自らのことも良く話す男で、初めてながら取引先はジャバザハットで、こちらで商品を買いつけ自分の星に運ぶんだ!と楽しそうに話をしていた。ルークは詮索することなく「商売ウマク行くと良いですネエ~!」と愛想で応じた。ダースベイダーは相好を崩し「俺の部屋にメシ喰いに来いよ!」米も味噌汁も漬物もあると誘った。
ルークはしばらく遠ざかっていた懐かしの味を思い出し「え~いいんですか?」と応じてしまった。ダースベイダーは「じゃ、来いよ!」とルークを部屋に案内した。ドアを開けるとそこにはジャバザハットが通訳のC3POと共に居た。ダースベイダーは部屋に入るなりルークにご飯の入った炊飯器,永谷園とキューリのキューちゃん、茶碗と箸を押し付けた。
ダースベイダーは「ちょっと商売の話をしているから好きに食っていってくれ!」と言ったままジャバザハットに向き直り、やおら商売の話をし始めた。
この惑星では互いの商売の話はほとんど交わすことがないので、席をはずすとルークは言ったがダースベイダーは笑顔で「かまわん。かまわん。」「遠慮しないで腹いっぱい食っていけ!」と陽気に言った。ルークも「それじゃあ」と久しぶりのご飯と味噌汁、漬物に集中した。

そんな時、狭い部屋である。ダースベイダーとジャバザハットとのやり取りが背中から耳に入る。「○○○○なんちょう。ウンヌン」「△△△△なんちょう。ゴニョゴニョ」「多摩××子フムフム」「いつ」「なんぼ」「タカイ」「嘔吐待ちっ苦、、、ゴニョゴニョ」など、およそ映画の中でしか聞いたことがないギョーカイ専門用語が背後からハッキリ聞こえてくる。ルークはフォースを使うまでもなく「豆腐、こんにゃくの話ではない。」とハッキリと悟った。

もはやご飯を食べている場合ではない。しかし完全に席を立つタイミングを失していた。
頭の中でオビワンが叫ぶ、「ルーク!暗黒面の引力だ。脱出するんだ!」。ルークは焦って脱出方法を考えたが、フォースもつかえず、茶碗を持ったまま、ただただ頭の中で右往左往だった。
その時部屋がノックされた。「ルーク居るう~?」。タトゥーン人の友達R2だった。ルーク29歳、人生最大の危機をまさに脱した瞬間だった。
今でもキューリのキューちゃんを目にするとき、あのときの危機を思い出すルークであった。

エピローグ
その後、ダースベイダーは自分の星に帰ったそうである。しばらくして取引の積荷の一部にちょっとだけ問題があり、少しの間ダーチャの方で休んでいたとの噂を聞いた。
ジャバザハットは出張先の別の惑星で何かの取引の争いがあり、その後の行方は杳として知れない。
ホテル デススターは経営者が変わりキレイになった。そして更に怪しさをました。しかし今日も何事も無かったかのように新たなビジネスマンを迎え入れている。

惑星タトゥーン。そこは男を磨く舞台である。

エピソード2
17年後のルーク。
「危機を救ってくれた友人R2との親交は続き、二人は新しいビジネスを創っていた。つい先日、ルークは新車のレジェンドをフルオプションで買った。税金対策である。(妻には怒られたそうである、「新車のBMが買えるじゃない!」「車ばかり5台もどこに置くの!」。) 惑星タトゥーンのR2はシグナスにクラウン他多数。(同じく妻に怒られてるそうだ。)
年に一度、2人は仕事を離れ家族連れで惑星エンドアというリゾート地で休暇を過ごす。

先々週、R2の娘が結婚式を挙げた。ルークは披露宴用に大量の食材を宇宙船で送り自らも出席した。R2は言った『次はルークの娘の結婚式だな~。』
ルークは応じた。『招待状は送る。だけど頼むからそっちから何かを送ってくるのだけは絶対やめてくれー!』
(声は笑っていたが、顔はマジだった。)  終わり

*≪繰り返す!この物語は完全なフィクションである。≫

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