第19話 力 技
2006.11.21
私自身は日頃ほとんどテレビを見ることがない生活だけど、なにやら我が国では「伊東家の食卓」なる番組が長寿を続けているようだ。日常生活のちょっとしたアイデアを「裏技」の名称で紹介する人気番組とかで、家人に教えてもらった。
職業病なのだろうか、直ぐに頭がロシアとリンクしてしまう。
そういえばロシアでもそんな「裏技」的、目からうろこの場面に遭遇したこともあった。ロシア版「修練の技」のいくつかを紹介させていただきたい。
私自身は日頃ほとんどテレビを見ることがない生活だけど、なにやら我が国では「伊東家の食卓」なる番組が長寿を続けているようだ。日常生活のちょっとしたアイデアを「裏技」の名称で紹介する人気番組とかで、家人に教えてもらった。
職業病なのだろうか、直ぐに頭がロシアとリンクしてしまう。
そういえばロシアでもそんな「裏技」的、目からうろこの場面に遭遇したこともあった。ロシア版「修練の技」のいくつかを紹介させていただきたい。
プルトップやスクリューキャップのことではもちろんない。
フィールドでの食事だけでなく、街場のレストランや食卓でも栓抜き、缶切り(もちろんレストランでは不要だ)にめったにお目にかかることがない。
ロシア人にとって必要がないからだ。
缶詰はいきなりナイフを突き立てる!潔いことこの上ない。ガリガリっとものの2秒でフルオープンだ。(ヴィクトリノックスの10徳ナイフをザックかき回して探す自分が馬鹿みたいだった。)
栓抜きは、100円ライターでも食卓ナイフでも固いものなら何でも良いようだ。いきなりビール瓶の首を掴むや100円ライターを人差し指と王冠に当て、「シュポッ。」 0,2秒の早業だ!(シェーンのアラン・ラッドよりも荒野の用心棒のクリント・イーストウッドよりも早い。)またもやヴィクトリノックスを探す自分がアホみたいだった。
「水洗トイレの節水技。」
ロシアのテレビで紹介されていた技である。
番組構成としては日本の「キューピー3分クッキング」みたいな短いプログラムだが、一般家庭のトイレのようなセットにエプロンをしたごっついロシア人男性がムズカシイ顔をして立っている。開口一番「皆さん~水洗タンクの水がもったいないですよね~。今日は節水のアイデアをお伝えシマ~ス。」と言ってタンクの蓋を開け、水量調節の浮きがついた金属の棒をいきなり下に曲げた!「これで水量は半分になります。やってみて~。」と番組は終わった。
「車の手動ブレーキ。」
シベリアのど真ん中だった。運転手の股の間になにやら手作りっぽいレバーが1本生えた古い車がやってきた。走り始めてしばらくすると下りのカーブが現れた。ドライバーは股の間のレバーを厳かに引く。車の床下からガリゴリガリゴリガリリリリー・・・。車は減速した。
宿営地が見えてきた。ちょっと登りっぽいところを探してるようだ。また床下から盛大な音が聞こえてくる。ドライバーは両手でのけぞるようにレバーを引いている。車は止まった。
車を降りて振りかえると二本の轍の他にもう一本深い溝が刻まれていた。
構造上、バックではこのブレーキが使えないそうだ。
(私は今この文書を日本のオフィスで書いている。生還したのである。ありがたいことである。)
いかがだったでしょう、ロシアの裏技。会得されたい方、先ずはスポーツジムへ急げ!
(番外編:ある日の小樽港での出来事。一人のロシア人船員が歩いている、後ろから見ると奴さんのように見えた。近づいてみると両腕に車のタイヤが2本づつ架かっている。普通車のタイヤ4本であった・・・。シンジラレナ~イ!)