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【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

ロシアのウオッカ3

2007.12.11

誰がどんな風に、そして何故ウオッカを飲むのか?(その三)

ウオッカの歴史から(続き)

 ロシアの歴史の中で、ウオッカの製造や販売の規則は一度ならず変更された。ウオッカを製造したり商いをして、いくばくかの税を国に納める酒税徴収代理権制度は、その権利者に途方もない富をもたらすもので、時によりこの制度が使われ、また停止されたりした。ピョートル1世(大帝)は酒税権利を国家のものとし、国庫収入の増大に励んだ。ロシアの「ウオッカ王」たちの王朝の始まりは、この時代に遡る。1716年、ロシア帝国初代ツァーリのピョートル大帝により貴族や大商人層は、自分の土地で酒造を営む特権を与えられた。
 18世紀中葉には専売工場のほかに、貴族や領主が国中のあちらこちらの領地でウオッカを醸造するようになっていた。エカテリーナ2世の時代、貴族の保護に熱心であった女帝によって、彼らにウオッカ醸造業が特典とし付与された。1765年3月31日付けツァーリの勅令は、貴族のみが「ウオッカ蒸留」に携わることができ、その上、税を免除されることを定めたものであった。それ以前までの、「酒税」を納めさえすればウオッカ製造や取引が誰にでも許されていた時代に酒造を営んでいた大商人達は、この勅令に対し自分達の生業を守るために貴族を自分の仕事に参加させたり、あるいは貴族を名目上の代表者にするなどの措置を講じた。しかし、貴族の特典を庇護する時の政府は、違反者を情け容赦なく摘発し、その財産の没収を行った。
 当時、おおかたのウオッカが地主の屋敷内で造られるようになっており、その品質は際限なく良くなっていた。蒸留されたウオッカの純度を高めるために、牛乳や卵の白身といった食物蛋白質が用いられ始めていた。
 興味深いことに、国の専売工場製のウオッカと違って、「ホームメイド・ウオッカ」には、素晴らしい香り付けが行われていた。3度蒸留された酒に水と植物エッセンスが加えられた後に、さらにもう一度、つまり4回もの蒸留を経てウオッカが製造されていたのだ。当時の人が残した言葉を信じるなら、地主屋敷のテーブルには今では想像もつかないような、こんな酒がデカンターに注がれていたのである! 美食家達は、こぞって酒蔵のウオッカについて書き記しているが、そのフレーバーウオッカの数は、なんとロシア文字のアルファベット全て、「А」(アニス)から「Я」(リンゴ)まで欠けることがないほどである。サクランボウオッカやナシウオッカ、ブラックベリー、どんぐり、ウイキョウ、ウクロープ、金剛桜、サルビア等々のウオッカがあった。ほとんど全ての植物の実や根、そして種などがロシア伝統の飲み物の香り付けに用いられたのだ! 地主貴族達はそれぞれ「他にはない魅力」にあふれる名前のついた「地ウオッカ」を蒸留していた。

今月のウオッカ/≪Парламент≫ (パルラーメント)

製造元: グループパルラーメント社。
モスクワの著名なアルコール飲料製造工場の一つである「ウラジャイ」工場をベースに2003年に創設された。ウラジャイ工場では、瓶詰めやラベル貼りのオートメーションラインに近代的なドイツ製機械が導入されている。ウオッカの生産は、特別な精留タンクで、国家規格に従って作られる最上級のスピリッツを使って行われており、使用される水は、工場の敷地内にある深さ250mの井戸から汲み上げられた地下の清流水である。
 パルラーメント社の自社製品案内から:
 本物のロシアのウオッカ「パルラーメント」は、特別な製法により、澄んだ水のような透明感をたたえています。ボトルをあけると、優雅に洗練された、えもいわれぬ芳香が貴方を包み込むことでしょう。これは、ロシアの大地で昔ながらの方法で栽培されたライ麦から作られた高品質の穀粒スピリッツだけが持つ香りなのです。ウラジャイ工場の敷地で地下250mの深さから汲みだされる、自然な塩分を含む柔らかな水と上質なライ麦スピリッツとの素晴らしいハーモニー、それが「パルラーメントウオッカ」です。さらに、このウオッカは、近代的な濾過設備と牛乳による不純物除去により浄化されております。澱や不純物を、牛乳(あるいは卵白)を加え、これに吸着させて取り除くという独自な製造技術が使用されております。
もちろん、この吸着に使用したタンパク類は、完全にウオッカから除去されます。
 非常にユニークなボトルの形やラベルもまた、「パルラーメントウオッカ」の素晴らしい特徴です。
「パルラーメントウオッカ」には、クラッシック、マンダリン、チョールナヤ スマローヂナがございます。

ウオッカを飲む時のアドバイスを一つ

 心がお祭り気分に浮き立って、つい、飲みすぎて二日酔いになってしまったときには、ミネラルウォーター、例えば、「ボルジョム(グルジア産ミネラルウォーター)」を飲むことを薦める。量は多ければ多いほど良い。もし、ミネラルウォーターが手元になくて、買いに走る元気もないときには、食用の重曹をといた水でも代用できる。量は、コップ一杯に重曹を茶さじ一杯。ロシアでは、二日酔いにはキュウリのピクルスを漬け込んである壜から、その漬け汁を飲むのが良いといわれているが、この広く行われている方法は実際に効能があるというよりは、むしろ昔ながらのしきたりへの敬意という意味合いが強いだろう。二日酔いを収める時、してはならないのがコーヒーを飲むこと。コーヒーは胃酸を増やし、それでなくても苦しい体調を悪くするばかりである。

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