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【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

ロシアのウオッカ4

2008.07.16

誰がどんな風に、そして何故ウオッカを飲むのか?(その四)

ウオッカの歴史から(続き)

 19世紀初頭の露仏戦争により財力が衰えインフレも激しくなったロシアでは、国によるウオッカ専売制の導入が行われた。この制度はロシア帝国の全領土に及ぶものであったが、徴税代理人の暗躍が著しかったシベリアには、政府の力は及ばなかった。ナポレオン戦争当時にロシア人がフランスに持ち込んだウオッカは、そこで高い評価を得た。ナポレオンに勝利したロシア人のウオッカは、単にエキゾチックな飲み物にすぎなかったわけではなく、何か崇高で純粋なものとしてフランス人の生活に受け入れられた。一説によると、軽い食事処を意味するフランス語の「ビストロ」という言葉が生まれたのは丁度この時期で、ロシア語のフレーズが語源ということである。当時、ロシアの将校達は、夜を徹した痛飲の後の二日酔いに苦しみながらも任務に向かう時、一杯のウオッカを求めて、こう叫んでいた - ブィストラ!ブィストラ!(早く!早く!)。
 1885年迄ロシアのウオッカは12.3リットル(1ベドロ)入りの桶(ベドロ)でのみ出荷されていたが、後にヨーロッパに習ってビンが用いられるようになった。
 「モスコーフスカヤ アソーバヤ(「モスクワの特別な」という意味)」は、有名なロシアの化学者ドミトリー メンデレーエフの功績により生産されるようになったウオッカである。メンデレーエフは1年半にわたってアルコールと水の理想的な化合量についての研究を行い、ついに完成したこの研究を博士論文「アルコールと水の化合に関する一考察」として発表した。メンデレーエフの論証は高い評価を受け、アルコール量測定やウオッカ製造に広く応用されるようになった。1894年から1896年にかけて定められたウオッカの国家基準と共に、政府専売ウオッカ業が広く国内に行き渡っていった。

今月のウオッカ/≪Георгиевская≫ (ゲオルギエフスカヤ)

 最初の「ゲオルギエフスカヤ」ウオッカが世に出た日から12年間、変わらない伝統的な製法と高い品質を保って生産が行われている。高山から湧き出る清涼な水、コーカサスのクバンステップの草木、強烈な香辛料、プロポリス、白樺の芽といった厳選された原料が、このウオッカの品質を保証している。
「ゲオルギエフスカヤ」という名前は、ロシアが北コーカサスを併合した時代のロシアと、つながりを持っている。1880年代にこの地に作られたゲオルギエフスカヤ駅の名前が、南ロシアの有名なウオッカのブランドとなった。
100年の歴史を持つゲオルギエフ工場は、昔ながらのロシアの醸造法に最新技術を調和させて、アルコール度の高い飲料を製造している。その柔らかくふくよかな味わい、水晶のような透明感と清清しい香りでゲオルギエフスカヤウオッカは多くの人に愛されている。
1998年からはアメリカに、1999年からはレバノンとドイツに、さらにはアプハジヤやキプロス(2002年より)、アルメニヤ、モルダビア、ギリシャ(2005年より)にもこのウオッカは輸出されている。また、ゲオルギエフスカヤウオッカのすばらしい品質は、国内や外国のコンクールでの数多くの受賞や、表彰で証明されている。

現在は、次のようなゲオルギエフスカヤウオッカが販売されている。
ウオッカ「ゲオルギエフスカヤ デラックス」
ウオッカ「ルースキー ドゥフ (ロシアの精神)」
ウオッカ「ズヴェズダ ダヴィダ ルックス (ダビデの星)」
ウオッカ「ゲオルギエフスカヤ ナ ベリョーザヴイフ ポチカフ (白樺の芽)」
「ゲオルギエフスカヤ ペルツォヴァヤ ナ ミョド (唐辛子入り蜂蜜ウオッカ)」 
「ゲオルギエフスカヤ ペルツォヴァヤ (唐辛子入りウオッカ・辛口)」
 
ウオッカ「ゲオルギエフスカヤ リモン (レモン)」
ウオッカ「ゲオルギエフスカヤ ス アラマタム チョールナイ スマローヂヌィ (黒スグリ風味)」
ウオッカ「ゲオルギエフスカヤ ナ ケドロブィフ アレシュカフ (松かさ)」
ウオッカ「ゲオルギエフスカヤ ス アラマタム クリュクヴィ (こけもも)」

カクテルのレシピ

【チョールヌイ ルースキー (黒いロシアの) 】
・ ウオッカ「ルースキー ドゥフ」- 40ml
・ コーヒーリキュール - 20ml
上記分量を氷と一緒にグラスで混ぜ合わせ、カクテルグラスに注ぐ。

ウオッカを飲む時のアドバイスを一つ

 宴会の席では、
「良い気分の時にだけ、ウオッカを飲もう。」
気が滅入っている時は、暗さが増すばかり。
「素晴らしい仲間とだけ、ウオッカを飲もう。」
一人ぼっちで飲むのは、絶対にダメ。
「体を動かさなかった日には、ウオッカを飲むな。」
一日中寝転がっていた人に、どんなウオッカが合うというのか?!
「勿論、程よく飲むのが良いのだが、もし、宴会が長時間で飲みすぎになる心配がある時には、始まる2-3時間前に50グラムのウオッカを飲んでおくと良い。体を準備させる意味で。」
「飲む前に、脂肪や油を多く含むものを何か食べておくこと。生卵かテーブルスプーン1杯のサラダオイルを飲んでも良い。これでアルコールの吸収を弱めることができる。」

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