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RUSSIA SECTION

【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

札幌・ノボシビルスク友好交流協会

2008.02.15

札幌・ノボシビルスク友好交流協会会長 千葉裕子様/シベリア通信~No.9~

自慢話:ロシアで一番のもの

なんと言っても”一番”が大好きな国民性なので、街の中から拾ってみる。新聞からの知識である。
ノボシビルスク国立アカデミー・オペラバレエ劇場:モスクワのボリショイ劇場よりも大きいのが自慢。劇場の前庭11837.8㎡。館内面積2943.400㎡。円形天井の横幅60メートル、円形部分の高さ35m   座席数1774席(車椅子席も含む)。壁面装飾彫刻の一番高い物の高さ6m、一個あたり重量1730kg。

地下鉄鉄橋の長さ

オビ川に掛かる地下鉄の鉄橋は長さ2145m。橋げた間隔902m。6200t。地下鉄駅「リチノイワクザール」と「ストジェンチスカヤ」を結ぶ鉄橋である。これはロシアに於ける地下鉄鉄橋では最長のものである。
そして、この新聞のシリーズの最後に市内で一番高い建物として、24階建てのマンションが紹介された。私は授業時間に知ったかぶりをして、なぞなぞを出した。「ノボシビルスクで一番ノッポの建物は?」学生曰く「今は教育大学の近くのマンションがもっと高いよ」ときた。当市での建築物の高低競争は建築ラッシュが続く市内では毎日更新されていくであろう。

シベリアのお正月2度目の新年

昨年の年末は29日で各事業所の仕事が終わり、1月8日までの長い正月休暇にはいった。かつて、新年は12月31日の夜から1月1日迄で2日からは出勤したものだ。かつ、少なくとも10年前には31日の夜はアパートのどの家でも来客で賑わいを見せていた。しかし、昨今は事情が変わった。アパートは誠に静かである。私の隣人の構成は向かいは一人住まいの老婦人。右横はそう若くないバレリーナとそのお母さん。正月は静かであった。
さて、戸外。今のアパートは昨年の住宅から地下鉄一駅移動しただけで、クラスヌイ・プロスペクトに同じように面している。昨年は遠くに聞いた花火が本年は私の足元から上がった。向かいのアパートの陰からも盛大に上がる。窓の右手からも豪快にあがる。0時から3時までの絶え間ない花火で私は市の行事かとすら思った。しかし、真夜中の市のサービスとしては“もったいない”。絶え間なく上がるが、菊の花形の単純なものばかりである。それでも連発形式があって、3階からよく見ると円筒形の花火筒が雪面にきれいに並んでいる。昨年までは中国からの輸入品で安かったが、今はロシア製が大方で高価だと言う。今年は、一発5000ルーブル(約25000円。本当です)と云うから、3時間の費用は莫大である。とどのつまり、この界隈には大金持ちが沢山いるのだろう。一見なんの変哲も無い築後3,40年の集合住宅に。
共同使用の階段部分は傷だらけで凸凹。鮮やかなブルーのペンキも擦られてはげている。ずーと前からそうだったのだろう。郵便受けも壁に斜めに下がり、鍵の無いものもある。私の家もそうだから、時々電話料金の請求書が紛失する。住んでいる人は自分の器に合わせて豊かな人は豊かに、そうでない人もそれなりに生活を築いているのだろう。なにしろ、ここは地下鉄駅のまん前である。
1973年、私はソ連経由でヨーロッパへ行った。当時のレニングラードではその日が戦勝記念日であったのでレナ川に花火が上がっていた。旅の仲間が「さすが~、花火は”赤“だけだ」と私達の旅の緊張をほどいてくれた。あのときの花火は忘れた頃にドンッと上がったものだった。通りを行く人は上がった花火が消えおおせるまで立ち止まって見入っていた。
そして、本年、1月7日がロシア正教の本当のお正月なので、この日までロシア全体が正月期間であった。仕事始めは1月9日であった。
この国の正月は平和だったのだろうか? 12月31日から1月3日の朝までニュースの報道は全く無かった。この間、世界中は平和だったのだろうか。娯楽番組ばかりの中で私はチャンネルを繰っていた。

クリエシェンスキー・マロース 日本で言うと“大寒”

1月19日、ロシア正教の大きなお祭りがあった。この日を”クリェシェニェ“と言う。この日はウラジミール王をキリスト教に入れた日で、彼のしたように“水に入って生まれ変わる”と言う行事である。古来言われてきたのは、この日水に入ると一年中良いことがある。と云うことでもある。この日前後、ノボシビルスクでも-30度以下の日もあった。もっと北では-45度50度と報道されていた。TVは川の表面を十字に切り抜き、善男善女(というのだろう)が水着姿で泳いでいるのを報道していた。さすがにやせっぽっちはいなかった。私の学生のお父さんも「水に入る予定であったが、寝坊して10時ごろに起きたので間に合わなかった」と車を運転しながら語った。身近にいる物好きさんである。
たしかに、この日を境に寒さが緩んだ。

なんでも有るのにまだ無いもの

街角のATM、世界のブランド商品、電気製品、自動車、新しい家庭用品~~。なんでもあるのにまだ無いもの、な~~んだ?
商品名で言うと「ウオッシュレット」
日本のTVと同じように、料理、自宅のリニュウアル番組が頻繁に報道されている。また、本来自分で室内の修理をする国民であるから、売り場ではその用品も多彩である。リニュウアル番組では、組み立て家具が流行り、キッチンもシステムキッチンである。しかし、今もってあの優れものの「ウオッシュレット」を目にしない。
外国人のロシア旅行が活発でないのはホテル代、レストラン料金、交通費の高いことの他に、誰もがあげる問題に“お手洗い問題”がある。最近のTV情報では外国からのモスクワの観光客が昨年より10%減ったとのこと。旅行者へのインタビユーでもこの点が指摘された。
10年前、窓のサッシが普及しないのが不思議だったが、今はこの業界、笑いが止まらない。高価だが、外からも目に付くし、二重窓の目張りをしなくても済むし、音も遮蔽する。と云うので主婦が集まると「お宅プラスチック?」と聞いている。路上から見て、私も古い窓枠だと「年金生活者かな~」と想像する。
さて、この「ウオッシュレット」何時、この国に入ってくるだろうか? これが広く普及すると私がこの国で不思議に思っている幾つかの問題が解決するように思う。その不思議が何か、と云うのは今語るのは止そう。

恐縮ですが

パパラッチと云う言葉はこの国でも市民権を得ている。
新年早々、と言っても1月3日以後のことであったが、フランンスのサルコジ大統領の再再婚のニユースが報道された。当地はチャンネルが沢山あるが完全に国営放送化されていて、ニュースの輪切りは同じものである。さて、ロシアでは大統領以下、このような面白半分の話は聞こえてこない。無いはずは無いのだが~~。よくTVで見るのは、いかにプーチン大統領が多忙で、閣僚との会談も、ロシア正教の儀式にも、海外でのビジネス外交にも、休日を返上して連日働いているかということである。閣僚一人ひとりとの会談では、大臣相手に下方からじっと目を据えて指示する姿である。ある日、健康担当大臣ゴーリコワ・タチアナ氏との会談では、大統領は、一度も彼女に目を上げず、通常、机上で組まれる手も右へ行ったり、左にものを下げてみたり、少年の如くに可愛らしいものであった。実はゴーリコワ大臣は30代であろうところの金髪美人である。この日、この場面が面白くて私は一日中チャンネルを回した。成功の絶頂にいるあのプーチンがである。

ノボシビルスク市の小中学校の校長先生の訪札

当市より8人の校長先生が、2月21日に出発する。一週間の予定。通訳としてセンターの副館長イリーナ・プーリック氏が同行する。この折、幾つかの行事が予定されているので、ご参加下さい。
*「ノボシビルスクを知るセミナー」場所:財団法人札幌市国際プラザ 日時:2月23日午後1時 ロシアのお菓子とお茶つき。会費その他は国際はプラザにお聞きください。℡ 211-2105
*「ノボシビルスクにおける日本語教育」 場所:財団法人国際プラザ日時:24日午後2時。イリーナ・プーリック氏の談話があります。:主催 札幌市姉妹都市協会「姉妹都市フェスティバル」    に於いて ℡ 211-2105

当地の物価値上がりの状況

日本からの物価の情報も悪いことばかりで、特に今冬は灯油の値上がりが大きいということだ。当地について考えると暖房と給湯はアパートの大きさとその家族数で均等化されての請求だ。私の場合、大家さん支払いなのでその金額が如何ほどかは分からない。冬の初めの寒い日には向かいの老婦人が「寒い、寒い」と電話をかけてくれた。近隣のアパートがみなそうだったから私は我慢するほかなかった。確かに地区により暖房のばらつきがある。
しかし、今、室内は暖かいし、いつでも熱いお湯が出て、お風呂にも充分に入れるので、これはロシアに感謝!
それにしても、当地も昨年秋以来、物価の高騰は激しい。食料品は15%~30%、品目としては、卵は10個で200円、乳製品は15%値上げ、物価優良製品であったパンもとうとう最近20%の値上げに踏み切られた。電気料金も値上がりした。野菜は越冬食品の馬鈴薯、人参、キャベツ、玉ねぎには値動きは無い。中央市場で柿を見つけた。秋口には1キロ500円であったが今は2500円である。さすがに私も周りを見回して遠慮した。バスも秋から2回の値上がりがあり15%値上がりした。劇場の料金は特別でなければ最高値は600ルーブル(3000円)薔薇一本は150ルーブル(750円)。
さて、比較としてまた給料の話になるが、給料も上がっている。しかし、市役所の部長職で18000ルーブル(90000円)とくればやはりアンバランスである。と言いつつ、センターに日本語を勉強に来る若者が最近ボルボの新車を購入した。これまでもトヨタの高級車であったが、ピッカピッカの新車である。外食産業の店長だそうだ。分からない? わからない?

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