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【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

ロシアのウオッカ6

2009.03.31

今月のウオッカ/ 辛口果実酒 「エタロン ケドロ (松の実の)」

 シベリアが誇るヒマラヤ杉の巨木には、沢山の松かさが実を結ぶ。この松かさは、正確には松の実といったほうが良いだろうが、生で食べるだけでなく、様々な料理の餡に使ったり、実を搾ってミルクを取ったりしてロシアでは古くから食用となっていた。松の実は、ビタミンやミネラルも豊富で薬効があり、例えばタイガの猟師は壊血病の治療に用いていた。
 今日では松の実は、一般には手の届きかねる貴重な珍味となってしまっている。
 もう何代も前のシベリア人の頃のレシピを、「クリスタル‐レフォルトヴォ」社の専門家たちが復元して、新しい果実酒「エタロン ケドロ」が誕生した。この文章に添えられた写真で分かるように、果実酒には実際に沢山の松の実が漬け込まれていて、かぐわしい香りと他にはない柔らかい口当たりの酒である。また、松の実の殻は、酒に深い茶色を添えている。そこはかとなく口に残る漬け込まれた松の実の後味が「エタロン ケドロ」の持ち味だ。

成分
精留エチルアルコール「ルックス」、特別な飲料水、砂糖、酸調整物、重炭酸ナトリウム、コハク酸、ヒマラヤ杉の実(松の実)

立体アート
 果実酒「エタロン ケドロ」が詰められているボトルには、壜の裏側のオーナメントに隠されて大きな立体アートがほどこされている。ボトルを横にし、20cmから30cmの距離でオーナメントを通して、近づけたり遠ざけたりして一二分探すと、ボトル全体に絵が浮かび上がる。

商社「クリスタル‐レフォルトヴォ」
 1999年に創立された同社は、現在ではロシアのアルコール販売市場の主要企業であり、株式会社モスクワ工場「クリスタル」の代表的な販売代理店である。「クリスタル‐レフォルトヴォ」の業績は順調で、酒類販売で高い評判を得ている。豊富な品揃えと高品質の商品販売で知られる同社は、2005年に「エタロン」と「メダル」という2種の自社ブランドアルコール飲料の販売を始めた。

アウトドアクッキングのレシピ

【タイガのウハー (ウハー:魚の汁物)】

 ウハーのレシピはロシアには無数にある。料理にどの位の時間をかけることができるかが、それぞれのレシピの一番の違いである。今日紹介するのは、私の釣り仲間が頻繁に作る最も簡単な短時間でできるタイガのウハーのレシピである。(本文に添えられた写真は、サハリンの北部にあるタイガの川での撮影)。

材料:
好みの魚、
ジャガイモ、
タマネギ、
塩、
粒コショウ、
ベイリーフ、
挽いた黒コショウ、
生のウクロープ、
パセリ。

 川をボートで行くような数日間かけての釣りの時には、私達は釣果として誇れるような(つまり、大きな)魚だけを獲り、小さなものは夕食のウハー用に少し残すだけで、あとは川に戻す。写真を撮った時の釣りツアーでは、残念ながら小さい魚がかからなく、3キロ以上もあるギンジャケの一匹がウハーの材料となった。

 仲間達が宿営地にたどり着くと、各自がおのずから自分の役割を始めだす。ある者は、焚き火用の木を集めだし、ある者はテントを張り、そしてある者は魚をさばいて夕食の支度に取り掛かる。
 魚は、鍋のサイズに合わせて、200から250グラム位の大きな切り身にする。皮をむいたジャガイモは大きな角切りに、タマネギも皮をむいて半分か3等分に切る。水を入れて火にかけた鍋には、まずジャガイモとタマネギを入れ、沸騰した後に塩と粒コショウ、ベイリーフを加える。すぐに火が通るので、魚はジャガイモがほぼ煮あがった時に鍋に入れる。鍋を火から下ろす直前にウクロープやパセリなどの薬味をウハーに加える。
椀に盛り分け、好みの量のコショウを振りかける。

 繰り返すが、これは、最も簡単で何の変哲もないウハーのレシピである。タイガでの終日の釣りの後では、往々にして釣り人には何か凝った食事を作るエネルギーが残っていなく、美味しくて満腹する食事が最重要なのだ。
もちろん、ウハーには150グラムか200グラム程のウオッカが良く合う。

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