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【ノマド|ロシアセクション】

旅のコラム

札幌・ノボシビルスク友好交流協会

2009.08.24

札幌・ノボシビルスク友好交流協会会長 千葉裕子様/シベリア通信~No.14~

トピックス 第一回シベリア日本語シンポジゥム

 2月4日、市立文化センター“シベリア・北海道”で上記のシンポジュウムが開催された。当初、千葉は開催を危ぶんでいた。ノボシビルスクで日本語教育が盛んだとは言え、如何にしても日本語はマイノリティである。ヨーロッパ言語には及ぶべくもない。
 しかし、「シベリア地方日本語教育協会」の理事として事務局を背負っている副館長イリーナ・プーリック氏は「とにかく、始めましょう。始めなくてはなりません」と言い張って準備に入った。
 モスクワから日本国際交流基金の日本語教育派遣専門官小栗潔氏の参加を得ることになり話は急速に進んだ。幕を開けてみると発表者数14名。地方からはオレンブルグ、トムスク、サハ共和国のヤクート、ノボクズネツクからの発表者兼参加者となった。
当日は見学者を入れてセンターのホールはぎっしりの人で埋まった。発表内容は様々であったが、関心の多い発表では盛んな意見交換がなされて活気溢れるシンポジュウムとなった。発表内容の幾つかを述べると「社会人に対応する日本語講座の特性」「日本語教育におけるコンピュータ技術の利用とその問題」「日本語教育における通訳・翻訳訓練」「助詞の導入における一考察」と難しいテーマが出揃った。ノボシビルスク市内だけでも国立大学が19校あるのだが、日本語導入校はこのうち6大学。
 大学に日本語講座の無い学生が、センターで初級から授業を受けていて、彼達には日本への関心があるだけに向学心が旺盛である。一月の暖冬から一足飛びに寒気に入った2月であったが、大勢の参加者を得て、主催の「シベリア地方日本語教育協会」は来年に向けて意気盛んになったのは言うまでも無い。

トピックス 経済恐慌の市民への影響

 ジワジワとこの影響が出始めた。
 ①3月4日のTVではロシア国内の失業者数600万人と報じていた。
 ②私の周囲では、TVが盛んに年金の引き上げについて報道しているので、友人に聞いてみた。3月は152ルーブル多かったが、パンとバター、卵10個、牛乳1リットルを買ったらほんの少々しか残らない金額だ。と笑った。今でも年金は一ヶ月3500ルーブル位らしい。
 ③銀行がローンを拒否しているので、昨年まで盛んであった自動車、住居購入が完全にストップした。従って中古車業者は社員の整理に即刻入った。2月までは私の受講者も金曜日の自宅待機が多かったが、3月に入ってとうとう失業者が出始めた。モスクワに本店のある有名な銀行の貸付課では今年に入って未回収が増えたので、高給取りの担当者は3月末日をもって退職させられた。この仕事はアルバイトを雇用することになったという。
 ④当地の不動産バブルは販売、賃貸も含めて完全に終わった。アパート賃貸料金は今年に入って30%の下落。この調子で行くと今夏の私のアパート契約更改時にはよしんば下がらなくとも、現状維持かも知れないと私は内心ほくそ笑んだ。市民の普通の収入から考えると今まで本当に家賃が、高すぎたから。
 ⑤アパートも買いました。良い車も買い替えました。しかし、急に会社を首になりました。その結果、妻子を残しての若い層の自殺が巷間で囁かれている。複数の人に確かめてみたら、いずれも「そうなのよ」と頷いた。ロシアでは宗教が自殺に対して寛大なので、自殺者が多いと聞いていたから有りうることだと考えた。しかし、残された妻子はその負債をどうするのだろうか?。これだけは聞くわけにはいかない。
 ⑥日本語受講者の中に弁護士がいる。彼は一ヶ月に何回もは来ないが顔を出す「どうして欠席するのか」という私の質問に「倒産会社が多くて、仕事が忙しい」「それでは沢山お金が入って良いでしょう」「いえ、いえ、とんでもない。彼らには全くお金がないから、書類作りで忙しいだけ」「最近、ニューヨークピザが倒産したから、本当に忙しい」という。そういえばTVの地方ニュースで、ニューヨークピザが昨年から半年も給料を遅配していると、若い女性たちが路上で騒いでいた。「時、既に遅し」というものだ。自宅近くのニューヨークピザを注意して見上げたら明かりが無かった。市内では派手に店舗、配達の事業を展開していたのだが~~

トピックス 外国の不動産を買おう

 昨年の暮れから友人、知人3人が外国の不動産を購入した。それぞれの懐事情によっての規模なので、その金額は一概には言えないが、モンテネグロ、エストニア、ブルガリアのアパートである。彼らに共通しているのは決して大金持ちではない。人によっては不足な分は借入金を利用している。いずれの人も教育レベルが高い。「ハテナ???」聞いてみた。一つは、銀行への不信感。今年に入って小さな銀行が倒産しているから、大きいといっても信用は出来ない。市内で、自分の持ち金で不動産を購入するには高すぎて手が出ない。それに比べると上記の国ではまだ手の届く金額であるし、友人や身内がいる国なので管理にも困らない。もう一つ、万が一のときはその国で生活が出来るから。
 彼らたちは運よく、恐慌の狭間にこの事業を決行したから良かったが、タイミングが外れたなら、そして、この波に乗りそこなっていたら今は指をなめて眺めているだけであっただろう。
 日本人の私としては「万が一のときは、その国で生活しよう」という発想に興味を持った。早くからロシア人は移民としてアメリカ、カナダその他の国に渡った。四方を外国に取り囲まれた民族の発想以外の何ものでもない。海に囲まれたわが国の日本人にはなかなか。
 昨年の不動産購入ローンの金利はルーブルだと13%。外貨建てにすると6%であった。現在はルーブル建てで25%である。猫の目のように変わる経済事情では、その人の能力意外にも運が良いか悪いかも関係があるのかもしれない。

トピックス 自動車事故の場合

3月1日。ロシアの自動車保険制度の扱いが゙変わった。この保険はあくまでも保険会社の扱い範囲なのだが。今までは、個人契約の保険でも自動車事故費用を保険で補おうとするときは、警察の長い事情徴集と分厚い書類が必要であった。大らかなロシア人でも最近はこの必要とされる長い時間を待てない。今回からは事故補償費が見積もりで25000ルーブル以下のときは警察の書類は不要。双方の話し合いで決定することが出来ることとなった。今、私はルーブルの円換算をここに書いていない。実は昨年は2万5千ルーブルは11万3千円位。今は9万円位。これが毎日変わるので情報としてルーブルの円換算を提供できないでいる。基本的にはルーブルと円の関係は昨年のルーブルの30%下落と考えている。

トピックス 日本商社が倒産か、それより先にロシア輸入会社が倒産か

 新品の情報で~す。当地に一度いらした方はご存知でしょうが、当地は日本中古車の大きなマーケットである。センターの周囲に駐車している車の60~70%は日本車である。
 先日、日本の自動車部品販売会社から社員が派遣されてきた。当地の受け入れ会社は日本で言う卸売業者で、シベリアに10箇所の拠点を持っている。バブルのはじける前は一日1200万ルーブルの売り上げがあったが、現在は300万ルーブルである。当然、日本への決済も遅れているわけで、今回の日本人派遣となったのである。
倉庫に整然と積み上げられた在庫の山を見て、日本人は唸った。決済の延期にしても、商品を引き上げるにしても「うちの会社が潰れる」と、ひとこと言って夜中のウラジオ便の人となったそうである。
 この日本企業はシベリアの代理店対策を怠ったのか、あるいは散発的に輸出業を行う程度の会社なのかは分らない。当地のいわゆる大手のこの会社を代理店形式にして計画的に業務を行えば、在庫の山は発生しなかったかも知れない。しかも、当地からの発注から商品到着まで3ヶ月を要していた。この間、近在の小さな単発の輸入会社が自動車部品を販売してマーケットを荒らされたらしい。日本企業が潰れるのが先か。ロシア企業の破産が先か??

トピックス 教育制度の改革

 年が明けてから、ロシアは教育制度の改革を行った。11年制の義務教育最終年に統一国家試験を行う。この試験は作文、数学と口頭試験からなる。これに合格すると国内の優秀大学24校以外の大学にはこの試験の成績で入学する権利を得ることが出来る。優秀大学の24校は改めて独自の入学試験を行い学生を選抜する。
また、統一国家試験の不合格者は試験出席証明書しか発行してもらえない。従って翌年に国家試験を受けて入学の権利を得ることとなる。それまでは夜間の塾に行ったりして頑張ることとなる。
従来は、各大学が独自に入試を行っていたわけだからこの制度によって簡略化されたらしい。ちなみにノボシビルスク市内では、優秀大学としてはノボシビルスク国立総合大学、教育大学、工科大学の3校だそうだ。

トピックス 歌が上手だな~~

3月25日 アカデミガラドークの花のグループ「さくら」の30周年記念に呼ばれた。千葉にとっては長い付き合いのあるグループである。1991年からだから、その頃の仲間達はかれこれ70歳前後である。当然、全員年金生活者で、当日集まった40名の中の約10名であった。30名は私の知らない若手のメンバーであった。現在のリーダーは芸術家と言われている手作り作家で、作品販売の店舗を持っている。
この国で芸術家と紹介されて展覧会にお呼ばれして「もう、長いのですか」と聞くと「ハイ、10年です」と答えられてびっくりしたことがある。それで、そこそこの値段を作品につけて売っているのだから驚いたものだ。日本で“芸術家”と、ご自分からおっしゃる方にお目にかかったことは無い。
さて、「歌がじょうずだな~~」と書いたのは、宴会場で、卓上には載りきれないほどの手作り料理と、学士会館のレストラン特製のケーキ、シャンパン、果物、チョコレートが積み上げられていた。いかにも女性ならではの集まりであった。ギタリストと詩人、ムックリを演奏する自称太陽博物館々長が招待アーチストであった。彼らの演奏が終わった途端「待ってました~~」とばかりカラオケが始まった。即席コーラス隊10名が今日のタイトルになったのだが。年齢関係なし、担当パート関係なし。勝手に歌っていて、その豪快な声量とハーモニーが見事であった。残りの30人を眺めると、思い思いの姿勢で体が揺れている。大揺れの人もいればテーブルの上で自分でピアノを弾いているように鍵盤を叩いてハモッている。日本の女性は如何だろうか。はにかみやが多い年代だから背筋を伸ばして“拝聴”しているだろうと思った。やはり、ロシア女性は天性の偉大なる資質を備えているものだ。

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