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【ノマド|ロシアセクション】

4WDツーリング

オフロード走行の世界

サハリンでの4WDツーリングは積極的なオフロード走行を求められます。従って、人も車も非常に高い耐久力を必要とします。 フラットなダートを走るのが大半ではありますが、いざ幹線を外れ(詳細は「ロシア極東道路事情」で)険しい道が続いていたなら、その道の向こうには期待も不安もあるでしょう。釣りのベストポイントがあったり、珍しい花がたくさん咲いている花畑があったり、名所に勝るとも劣らない絶景があったりなど、誰も知らない秘密の場所があ るのかもしれませんし、乗り心地の悪いオフロードを長時間走行することで、ただ疲労が残るだけなのかもしれません。
でも、オフロードをツーリングする楽しさを知る者にとっては、行き着いた先がどこであろうと、その道を苦労して走り終えたとき、ちょっとした山を登りきったような気分。 好奇心旺盛な少年のような気持ちを持って、ちょっとマニアックなドライブをするといったところでしょう。ただし、ここではあくまで「旅」 であることが大前提にありますので、何よりも安全が第一です。

オフロードを走るのは楽ではありません。
なぜなら、いろいろな種類の路面が千差万別の変化をして待ち構えているからです。また、その変化は季節や天候などによって大幅に変わるので、同じ場所でも走行の仕方が変わってきたりもします。 これを走りきるには高い耐久性のほか、一般乗用車の4WD車とは違うそれなりの機動力も要求されます。車輌面に関してのことは「4WD車の特徴」で紹介するとして、以下にオフロードの路面の種類を挙げてみました。
簡単な説明ですが、不十分な点は今後情報を追加する予定です。なお、路面ごとの走行上の注意はテクニック編で詳しく紹介します。

林道

車で走れるという前提で、「林道」を大雑把に林や森の中を通り、国道などのような公的機関が作った以外の道とした時、ロシア極東サハリンでは管理者不在の道も多く、ソ連時代は地質公団、木材公団、エネルギー開発公団、ダイヤモンド黄金公団が縦横無尽に道なきウィルダネス世界にその轍(わだち)を競うように刻んでいったりしたため、極端な場合獣道のような道も存在します。管理者がいないわけですから、時には倒木が道を塞ぎチェーンソーがないと通れなかったりと、日本で考えるところの一般的な想像を越えた林道を目の当たりにすることもたまにあります。その日本では、林道は森林の運搬など林業用に使用されている道や、森林管理署(=旧営林署)の管轄で森林などの自然を管理・保護などをするために使用されている公道を指すようです。
ちなみに国道・地方道といった舗装道路は国土交通省が主管しているのに対し、森林管理署が管轄する林道は農林水産省内の林野庁が主管となっています。
 運転する大変さも去ることながら、林道を囲む森や林の中は真夏でも涼しく実に爽快。森林浴・自然散策など楽しみ方はいろいろあります。 林道に限ったことではありませんが、そこに立入る場合は自然保護を常に意識した走行・行動を心がける事が必要です。

<林道走行上の注意点>

  • ・道が細く、場所によって路肩が弱い。(特に雨や雨上がり)
  • ・対向車とのすれ違いが困難であったり、コーナーや交差点、坂を登りきった所での出会い頭の事故の危険性あり。(事故を防ぐため、見通しの悪いところではクラクションを鳴らしましよう)
  • ・動物の飛び出し。地域によりますが鹿は車が来ても平気で道を横切って行きます。
  • ・基本的に雨や雨上がりはそれ自体が路面状況的に絶好の(?)バッド・コンディションなのですが、土砂崩れなんかの危険性もありますので、できることなら避けたい天候と言えます。
  • ・路面状況による注意点は下記を参照してください。

ダート

土の路面

土の路面は特に変化しやすい性質があります。 その天敵は「水」。フラット(平ら)だった路面でも、雨が降って路面が弱くなると凹凸になりやすく、モーグルばりになることもあります。
山道だと坂になっているので、雨水が流れた跡で轍(わだち)のように深い溝ができ、タイヤがその溝にはまりハンドルを取られたり、あまりに深い溝で車体が横転なんてこともあり得るでしょう。
 また、水溜りも油断できません。粘土質の土の場合特に、水溜りの底が泥(=MUD)になり、それが酷くなると泥沼のような深く、ぬかった路面になり、スタックしやすくなります。そこを他に車が通ったり、スタックしたりする度に水溜りの深さや範囲も変わっていくので更に厄介ですが、泥遊びを思い出し懐かしさを覚える事もあります。
粘土質の土は軽く湿った場合でも滑りやすいのでスリップに特に注意が必要です。坂になっている路面では止まらずズルッといくことが多々あるので、横滑りしてあらぬ方向に行ってしまい脱輪なんてこともあります。

砂利の路面

モーグルに匹敵するほど車の乗り心地が悪くなる路面。長時間の砂利道走行は車の耐久性が問われます。路面自体は土に比べて水はけがよく、水溜りにはなりにくいのですが、砂利の形によって注意点が変わってきます。丸い玉砂利状の砂利は滑りやすく、ハンドルの利き方も変わってきます。石も跳ねやすいので、ツーリングの際に仲間の車に小石を飛ばさないよう注意したいところです。石器のように角の尖った砂利はその鋭さから、4WD車用のゴムの厚めのタイヤでも、容易にバーストさせます。
写真のように山のたくさん残っているタイヤがバーストしたりしますので、古いタイヤや山のないタイヤを履いて走行する場合はスペアタイヤを必ず用意しないと後で困ったことになるかもしれません。

砂の路面

砂漠や日本では海や海に近い川辺りで見かける砂地は、土と違い粒が大きめなので水はけがよく、乾いている時よりも適度に水が染みている状態の方が地面が締まって走りやすいと言えます。乾いた状態だとすぐ地面が掘れてしまい、砂の粒の大きさや地面の表面の更に下の地盤がしっかりしてるかどうかといった状況によって、アリ地獄のようにみるみる埋まっていきます。
 サハリンの海岸線は車の走る場所と化している地域があるようです。写真のように路面に車が走った跡がたくさんあります。適度に湿っていて走りやすそうですが、タイヤの跡が筋となりハンドルがとられがちです。この辺りでの海水浴は暑い日でもできそうにありません。

日本ではあまり出くわすことのない川渡り。サハリンでは道と川が交差している場所があります。ですから、 場所によっては必然的に川を渡らないといけません。実際に渡った経験者によると、川には流れがあるのでそれを考慮するという点、サハリンでは川向こうに道がつながっているのでそこに辿り着けるよう、ずれないように渡らないといけないという点、途中で止まらず一気に駆け抜けるという点がポイントだそうです。流れについては、そのスピードによっては渡れないでしょう。また流れが緩くても川底が深ければこれも無理は禁物です。実際に車で渡る前に人間が歩いて渡ってみて流れや深さを確かめてから渡ったそうです。確かめに渡った人が流されてしまった時が車でも渡れない時と判断するのかはわかりません。
 初心者はタイヤの半分ぐらいの水深までが目安と言われています。増水・川底の変化の可能性も考えて、渡った事のある川でも深さを把握する慎重さが必要でしょう。ちなみに日本の川(小川程度)を渡った時は、タイヤの半分より少し少ないほどの水深でかなり緩い流れでもハンドルや車体の動きに水圧をしっかり感じました。
運転に関する注意事項はテクニック編で。

これも日本では走行する必然性のない路面ですが、サハリンでは時によっては満潮になった海を走らないと辿り着けなくなる、もしくは戻れなくなる地域があります。あまり深い場所は走りませんが、川と同じように深さや波に注意するのが基本と思われます。車の各部分に海水が付着するため、走行時の注意点と同じぐらい車輌自体に注意を払わないとなりません。念入りな洗車が必要です。
経験者の談話によれば、海を渡った後は川を渡って海水を落とすそうです。
サハリンに洗車場はそうそうありませんので。

その他

泥(MUD)

ダートのところにも登場した、舗装率の高い日本ではそうそう見かけないけど、サハリンでは当たり前シリーズのこの泥(MUD=マッド)路面。
雨の影響などで粘土質の土が練り物のような粘り気で路面を泥濘にする。
タイヤの通った部分ばかりがぬかった場合は、どんどん深くなり滑ったり腹がつかえたりしてスタックしやすく、車輌自体のパワーも必要とします。泥水の水溜りは深さもよくわからないので、まさに泥沼にはまってしまいます。

ここ北海道など、雪国に住んでいる方は冬期間大変ご苦労されている事と存知上げお見舞い申し上げます。現在のところ冬期間のサハリンツーリングは企画されておりません。ちなみに右の写真はイメージなので北海道です。
 深い雪道を走行する場合、スタッドレスタイヤだとパターンの中に雪がつまりスリック状態になりやすいので、そういった点でのスリップやスタック対策として、鎖のゴツいタイヤチェーンを巻くか、マッドタイヤのようなパターンの荒いタイヤを履き、レスキュー用品(スコップ、ヘルパー、牽引ロープ、作業用に長靴や防寒用の手袋など)を装備すべきです。
ウインチがない、LSDやデフロックがないなど車輌に装備が不十分な場合は、スタックしたら仲間に引っ張ってもらう事になるでしょう。ただ、デフロックやLSDのある車でも、腹が完全につかえたら写真のように簡単に埋まってしまい、ヘルパーも効かなくなりますので油断は禁物です。氷で危険なのはスリップなので、スパイクタイヤを履いたりタイヤチェーンを巻くといった事も重要ですが、やはりスピードを出し過ぎない、コーナー手前や停止位置から早めにスピードを落とすといった基本中の基本が実に大切です。

モーグル・岩

モーグル的な地形はサハリンでも所によって出くわします。走行上の注意点はダートとほぼ同じ要素にプラスして、平地ではなく凹凸なので、いかに車体を水平に保てるかという高度な運転テクニックが要求されるのと、車体の傾き加減によっては勢いで横転なんて事もあるので、スピードは控えめにするのがポイントです。後はどう運転するかなので、もう少し突っ込んだ内容はテクニック編で。
岩(ロック)はサハリンではあまり出くわすことはないので、後日機会があれば紹介いたします。
ただモーグルにも言えることですが、車体をモーグルのコブのてっぺんや岩にぶつける可能性があるので、車高を上げた方がスムーズという事でしょう。初心者向けでは全くその必要はありませんが。

・・・続く(追加・更新の可能性アリ)

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